水窪・小畑観音堂を訪ねる②―向拝虹梁の龍亀

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2018年08月01日 05:37

 水窪の奥領家小畑にある観音堂は、奥山家が別当を務める屋敷神のようなお堂。ここが、鈴木保彦著の『大正琴―田遊』の中で、西浦の田楽祭りと並び「神原(かんばら)の薬師堂でも、小畑の観音堂でも、田遊のまつりがある」と紹介されていた、あの観音堂です。

 かつては、正月24日に田遊びの行事が行われていたそうですが、残念ながら現在ではご開帳をするだけ。しかし、田遊びに使った鬼面、仏面、女面等など16点は今も残されているそうです。

 観音堂の東側には大きな倒木が。お堂のあちこちには、これでもかと言うばかりの彫刻が施されています。

 唐破風の正面、向拝虹梁には龍の彫刻がありますが、よく見ると龍の背には亀の甲羅があり、その上には仙人のような誰かがいるようです。

 調べてみると、これは体が亀で、顔が龍の瑞獣「龍亀(ロングイ)」。中国の神話では、甲羅の上に「蓬莱山」と呼ばれる山を背負い、その山には不老不死の仙人が住んでいると言われているそうです。すると、この仙人が、不老不死の仙人のようです。

 内側に回り、反対から見てみると、そこにも恐ろしい形相をした顔と、その上にまたがる仙人が。こちらは瑞獣「貔貅(ヒキュウ)」でしょうか?

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