水窪半島の庚申堂⑤―花と鳥との取り合わせ
水窪半島の庚申堂の左右2面の鏝絵のテーマは花と鳥との取り合わせ。向かって右には「松に鶴」と「竹に雀」、左には「牡丹に鶏」と「菊に小禽」です。
花と鳥との取り合わせは、ともに吉祥のシンボルとして美を競い合って来た題材。元を辿れば、花鳥画は中国で体系化され、朝鮮半島や日本にも広まった画題の1つ。
朱雀や鳳凰などの想像上の鳥ではなく、身近で親しみのある鳥と、1年中緑を保つ松や竹、「花王」と称される牡丹、日本の「国花」である菊。分かりやすい取り合わせの中に、華やかさを感じさせる絵柄となっています。
関連記事