柏古瀬・不動明王堂の向かって右側には、子安地蔵尊が祀られています。この子安地蔵は、地元の産婆さんに我が子を取り上げていただいた嫁たちが寄進したものとのこと。
坐った姿に彫られた地蔵尊の胸元は、何枚もの涎掛けで覆われていましたので見えませんでしたが、赤子を抱いているように膨らんで見えました。
かつて、産婦人科医院などなかった多くの地域での分娩は、産婆(助産師)さんよって支えられていました。しかも、産婆さんの役割は決して赤子の取り上げだけにとどまらず、母親や生児とは生涯の付き合いだったのです。
決して古い石仏ではありませんが、そんな歴史が頭をよぎりました。