浦川・玄馬稲荷を訪ねる⑦―玄馬とは?

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2018年02月22日 05:42

 ところで、玄馬稲荷の「玄馬」はこの地域の字名ではありません。

 「玄馬=黒い馬」。各地に伝わる伝承からすると、黒い馬は雨乞いを祈願するものだそうです。逆に、白い馬は晴天を願ってのもの。多くが絵馬の形で奉納されているようです。となると、この「玄馬」も降雨を祈っての名前だったのでしょうか?

 佐久間のあちこちに、名水とは呼ばれない湧水が見られます。それは、道路際の斜面から浸み出すようにチョロチョロ♪垂れて来ますが、近くに「水神様」を祀った祠や石碑が建てられているところもあります。

 私たちの暮らしに欠かせないのが水。降り過ぎると災いをもたらす雨ですが、降らないと生きていくことさえままなりません。目の前の相川には水が流れていても、その水は森林によって作られているのを先人たちはよく知っていたのではないでしょうか?「水神様」と「山神様」の石碑が並べられているところもあります。森林と水との深い関係を示しているような気がします。

 「玄馬→黒い馬→雨乞い→降水→森林→水源→きれいな水」。考え過ぎかも知れませんが、当っているかも知れません。

 それにしても、この玄馬稲荷には狐の姿が見られません。狐は稲荷神の眷属であり、祭神ではないのですから、必ずしもいなくてはいけないわけではありませんが、なぜか不思議です。

 資料によれば、社殿内部の神棚(神殿の)中に尾上栄三郎奉納と伝えられる白狐1対があるらしいのですが・・・。

 【関連記事】浦川・玄馬稲荷を訪ねる①―左右1対の石燈籠
 【関連記事】浦川・玄馬稲荷を訪ねる②―日露戦争の戦勝祈念
 【関連記事】浦川・玄馬稲荷を訪ねる③―助産婦の名
 【関連記事】浦川・玄馬稲荷を訪ねる④―遊郭による奉納
 【関連記事】浦川・玄馬稲荷を訪ねる⑤―磐座のような旧社殿跡
 【関連記事】浦川・玄馬稲荷を訪ねる⑥―「徳廣稲荷」の石碑

関連記事