山住神社拝殿向拝を飾る彫刻欄間「紫宸殿の鵺退治」の作者については、本殿改築に携わった曽布川藤次郎翁説、拝殿の建築をした曽布川藤太郎説に加え、藤次郎翁の師匠である鈴木傳重郎説も浮上しています。
いずれも、特徴的な団扇型の松が気になりますので、今回の訪問でも松にばかり目が行ってしまいました。
そして、今回気がついたのは、欄間の裏側。源頼政と家来の猪早太(猪隼太)が鵺を押さえ付けている裏側には、その舞台となった京都御所紫宸殿の欄干や柵が彫られています。そして、ここでもやはり、あの特徴的な松が見られます。
山住神社を訪れた時には、ぜひ、この彫刻を裏側から見上げてください。金網が光らない分だけ、曽布川藤太郎翁だけの意匠ではないとは分かっていながら、私が気にしている松葉の形がはっきりと見えるはずです。