県道9号を横切る阿多古川に架けられた市場橋の袂に、古い石の道標が残されています。
読みにくくなった文字を読んでみると、「右 横山 秋葉山 浦川」「左 字丸不動 大野 鳳来寺」と刻まれているようです。
熊地区には他にも各所に道標が残り、ここがかつて遠州と奥三河をつなぐ街道の重要な分岐点であったことが窺われます。
車社会に生きる私たちには、カーナビが示す舗装された公道だけしか思い浮かびませんが、最短距離の山道を歩いて国境を越えたかつての人々にとって、ホッと胸を撫で下ろしただろうと思われる風景が、熊の家並です。