1月3日、水窪を訪ねました。迎えてくれたのは、神原八幡宮と薬師堂の「男木(おとこぎ)」。佐久間町の城西地区から水窪にかけての見られる門松の一種です。
折口信夫の著作「門松のはなし」の中に、「男木」に触れた下りがあります。
私は、此数年間、毎年正月になると、三河・遠江・信濃の国境に近い奥山家へ、初春の行事を採訪に出かけましたが、こゝの門松は、また形が違つてゐるのです。門神柱、或は男木などゝ言はれる、栗・楢などの柱が二本立てられ、これに注連をはり、その下に松が立てられるので、その松の枝には、やすと言ふ、藁で作つた、つとを半分にした様なものが掛けられ、その中には、餅・粢(シトギ)などが入れられるのです。此形は、盆の聖霊棚に非常に近いと思はれます。(折口信夫著「門松のはなし」より)
「男木」を片付ける「男木納め」は2月1日。この日に正月の庭飾り、うち飾りをすべて片付ける風習ですから、「男木」を見てみたいと思ったら、今月いっぱいは見ることができるということです。