役人沢の脇に「三界萬霊有縁無縁」と刻まれた小さな石碑があるのは、「真冬の佐久間道⑧」で紹介した通り。もう1つ、今回のウォーキングのラスト、おそらく島に入った辺りだと思いますが、家の敷地のすぐ横にも「三界万霊」の碑がありました。
三界萬霊(さんかいばんれい)塔とは、欲界、色界、無色界と呼ばれるこの世、あの世のすべての世界に生きる霊、生きた霊を供養する願い、祈りを込めて建てられた塔。墓地に建てられたり、道祖神のように集落の境に建てられていることが多いようです。
三界萬霊には、自らにゆかりがある「有縁」の祖霊だけでなく、縁もゆかりもない「無縁」の霊も含まれ、丁寧に表現すれば「有縁無縁」。鳥獣や植物の命をいただきながら生き繋いでいる私たちが、決して忘れてはいけない言葉であり、供養塔だと思います。