真冬の佐久間道⑦―住めば都
林道西渡線に沿った集落の家々は、東に面した急峻な斜面に建てられています。古くからの道は家と家、山、畑を縫うように設けられていますが、車が通れる舗装道路はほぼ水平に造られているため、道路に面した住宅はわずか。ほとんどの住宅は依然として道路の数段上や下に建てられているのが見えます。
車で玄関先まで乗り付けられる家などありませんので、駐車場は道路脇。ガソリンスタンドも近くにはありませんので、ドラム缶を並べてガソリンを保管しています。
荷物を運ぶのはレールを走るモノレール(単軌条運搬機)や、ケーブルにゴンドラを吊るしたロープウェイ。索道を使って木材を運び出していた林業地帯では見慣れた風景と言えるかも知れません。
道路脇でおしゃべりをしていた女性に「ここでの暮らしは不便なことが多いでしょう?」と声をかけたところ、「でもね。昔から言うじゃない。住めば都って。慣れちゃえばいい所よ」との明るい返事。
つまらない質問をしてしまい、恥ずかしくなってしまいました。
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