光明寺の奥の院「摩利支天堂」のさらに奥に祀られたイノシシにまたがる摩利支天の石像の向い側に、もう1体の石像が祀られています。あれは、一体、誰でしょう?
光明寺住職から聞いた答えは、「笠鋒坊大権現ですよ」。なるほど、光明の大天狗と呼ばれた「正一位光明笠鋒坊大権現」だというのです。
「光明山由来書」によれば・・・
一.鎮守正一位光明笠鋒坊大権現と七十五膳献供の神事
行基上人に当山を任せられた最傳が姿を消して後十年、再び最傳数多の眷属と共に姿を消し当時の住僧霊澄に「我は常に此の山に往して永遠に衆生を利済せん」と告げ、雲に隠れて何処へか去って行きました。これが世に光明の大天狗と呼ばれ、遠州五坊、日本七十五坊の一つ、正一位光明笠鋒坊大権現です。
天平九年(七百三十七年)遠江の国司草壁王子は天竜川に棲む大蛇を退治しようと笠鋒坊権現に七十五膳を献じ、萬願成就したことから当山の七十五膳献供の御神事が始まりました。遠州地方のいくつかの寺院に伝わる七十五膳の御神事の根元です。現在も十月の最終土曜日の大祭の夜行われております。
「七十五膳献供」とは、「笠鋒坊大権現」はずいぶんとたくさん食べるものです。光明寺の奥の院を訪ねた時には、ぜひ、この「笠鋒坊大権現」の石像もご覧になってください!