大井橋側道橋を渡る時、水窪川の上流右岸にンクリート遺構が見えます。
これは2代目のトラスで組まれた上路式のアーチ橋の遺構。昭和46年(1971)に竣工した現在の橋は「大井橋」と名付けられていますが、2代目の橋は「西渡橋」と呼ばれていました。
モノクロの写真は昭和40年(1965)の冬の撮影。水窪川のV字渓谷の背景に見えるのは、雪化粧した竜頭山です。貧弱とも思える欄干(手すり)。橋の上を歩く2人の背には「浜背負い祭り」で再現されている背負子。背には大きな俵が2つ写っています。まさに、佐久間町西渡を代表する、いや日本を代表する原風景。
俵に入っていたのは米ではなくて炭。寒さが厳しい冬になると、下流に暮らす大輪の人たちが、西渡橋を渡って炭を売りに来たのだそうです。