山住峠の標高は1107メートル。目の前に見える常光寺山は1418メートル。植林された山、皆伐された山、雑木林の山のモザイク模様に、まだらの陽射しが当たり、飾り気のない北遠の山そのものの風景です。
山住神社の入口付近では、イチョウの黄葉が陽射しを受けて輝き、境内中央に聳える「山住神社のスギ」は県指定天然記念物ですが、「新・浜松の自然100選」にも選ばれています。
「山住神社のスギ」は2本。和銅2年(709)の神社開山の時に植栽されたと言われ、その通りだとすれば樹齢は1300年以上。昭和34年(1959)の伊勢湾台風による倒木の年輪で、樹齢が確認されたとされています。
元禄9年(1696)、山住家の23代山住大膳の亮茂辰公は、幕府が御用材として木を乱伐している様子を危惧し、伊勢から3万本の杉苗を購入して造林を開始。亡くなるまでの48年間に、神社周辺の山には約36万本の杉が植林されたとのこと。
御神木の2本のうちのどちらが大きいかというと、実は奥の杉。すんなりと伸びた幹の割には、力強い男性的な枝ぶり。下から見上げても、カメラのフレームをはみ出してしまいます。
ちなみに、「新・浜松の自然100選」の標柱は私が案内したバスツアー参加者に立てていただきました。頭をなぜてあげてください!