「江戸三河町」の住人が奉納した常夜燈が残る一の鳥居跡を過ぎてしばらくは、急坂が続きます。昔の参道はもっと多くの人が歩いていたと思われますが、この日の私は一人旅。足元に咲く野草の花たちと遊びながら山頂の秋葉神社上社を目指します。
「
荒れ道を
足軽やかに
遊び行く」(北遠楽)
参道脇には、ヤマジノホトトギスが「山路の」の名に相応しく地面すれすれに花を咲かせています。参道には木漏れ日が射し込み、日に照らされた地面に木立の影のコントラストがくっきりと。
石畳の先の参道は未舗装ですから石が浮き上がり荒れた所もありますが、登り坂を歩く時には視線が下がりますので大丈夫。私の視線は、あっちをキョロキョロ、こっちをキョロキョロ。それでも、足取りは軽やかです。