昨年末に訪れた佐久間の茶園脇に、背の高いススキが茂っていました。
ススキはすでに枯れススキになっていましたが、これがお茶の栽培には欠かせない茶草場。刈り取ったススキを、秋から冬に掛けて茶園の畝間に敷くことにより、根元の保温や保湿に役立ち、微生物の繁殖を助けて土壌を豊かにし、お茶の味や香りが良くなると言われています。
また、茶草場では絶滅危惧種や希少野生動植物種など多様な動植物の生存が可能とされ、「静岡の伝統的な茶草場農法」は世界農業遺産として認定されたのはよく知られるところです。
茶草場農法の認定は、掛川市、菊川市、島田市、牧之原市、川根本町の4市1町が働きかけたことですが、北遠の茶園でも同じ農法が守られています。
ススキが茂る茶園は北遠で暮らす人たちには当たり前の風景ですが、実は世界農業遺産に匹敵する自然に寄り添った伝統農法なのです。