養蚕が盛んな時代に「繭を口に入れる」のは、糸口を探すため。子どもたちは鍋で煮ても糸口が見つからなかった繭をもらい、口に入れて糸口を探し出したのだそうです。
繭の中には、もちろん蚕の蛹が入っています。生糸を巻き取った後の蛹は、そのまま食べてしまうこともあったのです。農家にとっては、蛹は貴重なタンパク源。蚕を食べるのは、決して「ゲテモノ食い」ではなく、宇宙飛行士のタンパク源としても蚕が注目されているようです。
蚕は繁殖力が強く、比較的場所も取らず、水の消費も低く抑えられ、また排泄物も少なく、その蛹はほとんどタンパク質から成り、豚肉の2倍、そして卵や牛乳の4倍の必須アミノ酸を含んでいると言いますから、これは侮れません。さらに蚕が作り出す絹も処理を施せば食べられる状態に加工することができ、ジュースや砂糖と混ぜてジャムなどを作れるとのこと。
写真は、「水窪民俗資料館」に展示されている繭(←実物)。これを食べるのでしょうか?