インクライン遺構へは、ふかふかに積もった杉落ち葉を踏みながら斜面を下り、コンクリートスロープの横を下りると、写真で見たあのオシャレなインクライン橋梁が見えました。
インクライン遺構のコンクリート表面には化粧が施されてはいませんでしたので、型枠の痕が残っています。古い写真で見たものには、路盤を支えるアーチ型の部分に窓が開いていましたが、ここにはそれは見られません。きっと、場所が違うのでしょう。
それにしても、この山の斜面に、この角度で建てたコンクリートの柱。一体、どんな工事が行われたのでしょうか?不安定な斜面に大掛かりな足場を組み、縦横斜めに鉄筋を張り巡らせ、それを覆う型枠を下から順次積み上げて、最後に重いコンクリートの路盤を流し込んで完成させたのです。