新宮池のそばに祀られているのは新宮神社。新宮神社社殿に登る石段の前には、石鳥居が建てられています。
普通に見られる明神鳥居の建立されたのは「大正六年八月建之」と刻まれていますので、西暦1917年。日本も参戦した第一次世界大戦の真っ最中です。
「大正六年八月建之」の上には「國家彌榮」の文字も。「國家彌榮(国家弥栄)」の「弥栄(いやさか)」とは「ますます栄える」という意味です。
この石段では4月に、新入学の児童が石段を登り、地域の人たちが祝う「勧学祭」が催されると聞いていますが、かつては新宮神社でも他の地域同様に出征兵士を送ったのでしょう。神社や神道が軍国主義に利用され、「弥栄」も国粋主義的な「万歳(バンザイ)」の意味で使われました。
「國家彌榮」は決して悪い言葉ではありませんが、私たちの向かう方向は「世界弥栄」であるべき、と感じました。