天竜川河川敷に蔓延るマメ科とつる植物①―クズ

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2019年09月18日 05:23

 秋の初めは、一年の中でもマメ科の花が多く見られる季節。自宅近くの天竜川河川敷を歩き、マメ科とつる植物を中心に観察してきました。

 先ずはクズから。クズ(葛)は「秋の七草」の一つ。マメ科の多年草で荒地に繁りますので、山里に限らず、新幹線の敷地内など、誰でもどこでも見ることができます。今が花を咲かせる季節。かつては、「葛」などのつるを「かずら」と呼んで、カゴを編んだり作業に使ったため定期的に切り取られ、今ほどは繁茂していなかったようです。

 根は山芋のように太くなり、「葛湯」や「葛餅」の材料となる澱粉「葛粉」を取ります。もちろん漢方薬「葛根湯(かっこんとう)」の原料に使われているのも、これ。つるから取った繊維を緯糸にして編んだ布は「葛布(くずふ、かっぷ)」と呼ばれ、襖紙のほか、裃などの衣服にも使われたとか。この古代布の伝統を引き継ぐ「葛布」は、今でも掛川の民芸品として残っています。

 よく見ると、初夏に咲くフジの花を逆さにしたようなマメ科の可愛らしい花を付けていました。

 【関連記事】天竜川河川敷に蔓延るマメ科とつる植物②―ヤハズソウとメドハギ
 【関連記事】天竜川河川敷に蔓延るマメ科とつる植物③―ツルマメ
 【関連記事】天竜川河川敷に蔓延るマメ科とつる植物④―ノハラクサフジとミヤコグサ
 【関連記事】天竜川河川敷に蔓延るマメ科とつる植物⑤―イタチハギとコマツナギ
 【関連記事】天竜川河川敷に蔓延るマメ科とつる植物⑥―ノアサガオ
 【関連記事】天竜川河川敷に蔓延るマメ科とつる植物⑦―アメリカネナシカズラ
 【関連記事】天竜川河川敷に蔓延るマメ科とつる植物⑧―ママコノシリヌグイとヘクソカズラ
 【関連記事】天竜川河川敷に蔓延るマメ科とつる植物⑨―2色混じったガガイモの花とウマノスズクサ
 【関連記事】天竜川河川敷に蔓延るマメ科とつる植物⑩―クコとコハク オナジマイマイ

 【関連記事】霧ヶ峰・八島ヶ原湿原の自然⑰―クズとナンテンハギ
 【関連記事】秋の天竜川河川敷の自然⑧―クズの花とルリシジミ

関連記事