旧津倉家住宅の障子張り替え作業②―紙剥がし
障子をきれいに張り替える時に気を付けなくてはいけないことは、古い障子紙をきれいに剥がすこと。先ずは、シャワーのように水を全体にかけ、乾いていた糊が軟らかくなるタイミングを待って剥がします。
旧津倉家2階の障子は長い間張り替えがされていなかったらしく、白かったはずの障子紙は黄ばんだ状態を通り越して茶色に変色。そのため、枠の端から一気に剥がせる紙ばかりではなく、1枡、1枡、穴を開けるように剥がさなくてはいけないものがほとんどです。
桟に残った紙は爪やヘラで剥がし、さらに残った糊をタオルで丁寧に拭き取ります。この作業を雑にやると、新しい紙に張り替えた時に古い糊が残ったままの桟のところだけ、色が茶色に変わってしまいますので、細心の注意が必要な作業です。
そして、紙を剥がした後、糊痕が残る障子の桟を見て、斜めに傾いた塵返し桟の角が尖らずに丸みを帯びているのに気づきました。しかも、こちらは紙を貼って隠れてしまう側なのに、丸く面取りされていたのです。これが、掛塚の建具屋のこだわりと丁寧な技。
後は日陰干しして乾かし、来週17日に新しい障子紙を張ることになります。
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