交易の歴史を学びに佐久間へ⑪―屋敷神3社
御室家住宅の北西裏の1段高い場所に3つの社・祠があります。向かって右から、庚申仏、稲荷社と先祖神と思われます。
庚申仏、青面金剛の光背に刻まれた文字は「享保三年十一月吉日」ですから西暦1718年の建立。「佐久間奥山上野村住人」の文字も見られますので、長屋門よりも古い時代に造られたものです。
青面金剛の足元には三猿の姿も見られます。その上の左右に刻まれた神像は、着物姿のようですが日光菩薩、月光菩薩でしょうか?
真ん中の社には、陶器のお稲荷さんがたくさん納められています。
向かって左の社の中には、細部まで見事に造られた小さな社殿が納められています。この社殿の中に納められているものまでは分かりませんが、社の軒先には「施無畏」と刻まれた欅板の扁額が掲げられています。そして、この額には「祈武運長久」の文字も見られ「昭和十四年一月 御室○○書」とありましたので、太平洋戦争開戦(1941)以前ですが、すでに日中戦争(支那事変)の最中ではありました。
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