復旧した秋葉山表参道⑫―角度によって違う輝き
秋葉山山頂から、太平洋の金色の輝きが見られる季節がやって来ました。太平洋が金色に見えるのは、海の色ではなくて海面で反射している太陽の光の色。波長が短い青い光は乱反射しやすく、波長が長い赤い光は遠くまで届くため、私たちの目には金色に見えるというわけです。
高度が低い冬の太陽は入射角が浅く、その光が太平洋の水面で反射すると、ちょうど秋葉山の山頂にまで届くのですが、ほんのちょっとした標高の違いで、光は輝きを失ってしまいます。
秋葉神社上社の拝殿前へ続く石段の途中からだと天竜川の流れは見えますが、太平洋の輝きはありません。ところが、拝殿の高さまで登ると、太平洋が輝いて見えます。しかし、逆に天竜川が見えなくなるのは、光の入射角と反射角の違い。
自然の風景は、太陽の光によって見えたり、見えなかったりするのです。
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