東の空がオレンジに色づき始め、「見えた!」の声が響いたのは、午前6時56分頃。犬塚さんの太鼓が打ち鳴らされ、一斉にシャッターが切られました。
金色の光の筋が射し込み、振り向くと、手を合わせる人たちも。それにしても、私たちはどうして初日の出を拝むのでしょう?
『古事記』の記述によれば、日本は「豊葦原瑞穂国」。つまり、「稲が豊かに実り、栄える国」とされて来ましたが、それはとりもなおさず神の意思(神意)によるもの。正月の玄関に飾られる注連縄や注連飾りの材料は、刈り取った稲の茎を干した藁。これも、豊作をもたらす歳神様を導く目印です。
つまり、初日の出を拝むのには、歳神様へその年の豊作を祈る意味があるのです。