さあ、下山の時間です。下り始めてすぐに、江戸時代に仁王門として建てられた随身門が見えて来ます。この辺りには、かつて秋葉山が神仏習合だった頃に積まれた石垣が残っています。ここは、まさに石積み展示場。石積みの種類を勉強するにはよい場所です。
野面積み
打込み接ぎの谷積み
打込み接ぎの布積み
切込み接ぎの布積み
自然石をあまり加工せず、ほぼそのまま積み上げたのは「野面積み」。石と石との間に隙間が多く、草が生えたり木の根が伸びたりしています。
石の表だけを平らに加工し、隙間をできるだけ減らして積むのが「打込み接ぎ」。秋葉山では、四角く加工して目が横に通るように積み上げた「布積み」と、石の角を斜めに落とし込むように積んだ「谷積み」が見られます。
石をほぼ方形に加工し、隣同士を密着させるようにしたものは「切込み接ぎ」。それをほぼ水平に密着させた「布積み」も見られます。
もしも、あなたが車で秋葉山上社に参拝したとしても、せめて古色を帯びた随身門とその前後に見られる古い石積みを眺めてみてください。