植物の中には、重金属が埋蔵される地域に特異的に生育するものがあり、古くから金属鉱床を探すための指標として利用されて来ました。近くには銅鉱石を産出していた峰之沢鉱山があり、秋葉山が火の神を祀るようになった由来は、鉱石を燃焼する鉱山開発が起源ではないか、という説を聞いたことがあります。
「秋葉山=鉱山」説に関しては確証はありませんが、秋葉山には、指標とされるクロモジやヤブムラサキなどが多く生育しているのは確か。疲れた私たちを、高い香りで励ましてくれるのは、表参道の両脇のクロモジです。
ヤブムラサキの花も咲いていました。クマツヅラ科で同じ仲間のムラサキシキブに似ていますが、葉に細かい毛が生えていますので手ざわりが柔らかで、花が下向きに咲くのが見分けのポイントです。