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2017年07月05日

北遠の馬頭観音⑪―懐山おくない「駒の舞」

「懐山おくない」の「駒の舞」 国の重要無形民俗文化財指定を受ける「懐山おくない」の演目の中に「駒の舞」があります。

 「駒の舞」は、先ずは駒の被り物を付けた舞人が一人で舞い、やがて振り分け荷物を肩に掛けた馬喰(ばくろう)が登場します。

 ここで言う馬喰とは、遠くから旅をして来た馬買いの商人のようです。「阿弥陀の前の名馬の駒、これはどうた コロコロコロ」と声を掛けますが、馬は答えません。「こちらではオロオロと呼びます」と列座から声が上がり、「阿弥陀の前の名馬の駒、これはどうだ、オロオロオロ」と言い直すと、馬は首を上げて答えます。

 「はつぞう山のはつ柴これはどうだ、オロオロオロ」と声を掛けますが、馬は答えません。再び列座から「名馬の駒に柴はくれません。大豆をふくぶくと煮て餅米の糠に合わせてくれています」と声が掛かり、「大豆をふくぶくと煮て餅米の糠に合わせてこれはどうだ、オロオロオロ」と言い直すと、再び馬が答えます。

 明治24年の懐山は、戸数63・人口385・厩37と馬の飼育が盛んな土地。丹精込めて育てた馬を、高値で買ってもらいたいとの願いを込めた問答。懐山の農家で育てた馬を手放す時の情景を表した舞のようです。

文字碑
文字碑

 馬頭観音と言いながらも、文字だけを刻んだ文字碑もよく見かけます。そのほとんどは「馬頭観世音」と刻まれていますが、まれに「馬頭観音」と刻まれていることもあります。




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