磐田の佐口さん収集、戦前の絵はがき 静大教授らデジタル化

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2021年02月20日 05:37

 磐田市見付の佐口行正さん(72)が集めた明治−昭和初期発行の2000枚を超える絵はがきが、「歴史的な資料価値が高い」として、静岡大情報学部の杉山岳弘教授らがデジタル化した。19日に同教授らがデータが入ったUSBを、市や県立農林環境専門職大、佐口さんに寄贈した。

 絵はがきは明治40年ごろから昭和20年ごろに、現在の磐田市を中心にした県西部で発行された2400枚。この時期は重要な式典や出来事があると、主催者や写真館が発行したという。

 佐口さんは父親の遺品の絵はがきに関心を持ち、古本屋や古物商などで買い集めたり、知人から譲り受けたりして集めてきた。

 明治期末の見付宿の写真や大正初期の人力の軌道車、見付天神裸祭の浜ごりに向かう船の列などがある。

 これまでは絵はがきの一覧などがなかったため、市教委や市歴史文書館の展示会や企画展で展示要請があっても、貸し出せるのは一部に限られていた。このため県立農林環境専門職大准教授で民俗を研究している同市の中山正典さんが、「せっかくの資料。何とかしたい」と、知り合いの杉山教授に持ち掛けてデジタル化が進んだ。

 同大大学院の山崎夕輝さんらが昨年7月から、全数を機械で読み取って目録を作成。USBを挿入したパソコンの画面で年代や絵はがきのタイトルを打ち込めば、目的の写真を探し出すことが容易にできるという。

 山崎さんは「どの時代にどんな建造物があったか、どんな情景だったのか鮮明に分かる」と、絵はがきの価値に言及。デジタル化したことで、小さな文字も分かり、紙に比べ劣化が少ないという。佐口さんは「うまく活用してもらえればうれしい」と話した。(「中日新聞」より)


 当ブログでも利用させていただいている佐口行正さんの収集した古い絵葉書が、新聞記事になりました。リスト化には私も協力させていただきましたが、デジタル化となれば、さらに利用しやすくなりましたね。

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