浜松・原田橋崩落4年 町を分断、住民に「痛い」仮設道規制
浜松市天竜区佐久間町の天竜川に架かる国道473号「原田橋」の崩落事故から31日で4年。新橋の完成は1年以上先で、住民が河川敷を走る仮設道路で町の東西を行き来する生活は続く。2018年は大雨や佐久間ダム放流による仮設道路の通行止めが多く、町の分断が解消されないことで住民の防災への不安や生活の不便さが募る一年となった。
同町西部の浦川地区では18年10月、台風24号による土砂崩れで久保隆次さん(79)宅に土砂がなだれ込んだ。当日は仮設道路が通行止め。幸いけが人は出なかったが、久保さんは「もし、けが人がいてもすぐ近くの佐久間病院に運べず、町の中心部から市の土木職員をすぐに呼ぶことも難しい」と、不安を募らせた。
18年の仮設道路の規制日数は17年比で3倍以上の計40.5日。10日間継続したこともあった。規制中は車で対岸に移動するために約2時間半の迂回(うかい)が必要。東西を結ぶJR飯田線は便が少なく、倒木などの理由で運行が止まることも珍しくない。浦川地区に住む佐久間地区自治会連合会浦川支部の野沢今朝司支部長(70)は「学校や医療・介護の拠点が対岸にある。移動ができない時は教育やサービスを受けられない。高齢者が多い地域でこの分断は痛い」と指摘する。
天竜区観光協会佐久間支部の邑瀬三男事務局長(67)は「4年間で町外の人に『佐久間は道が悪い』というイメージがすり込まれた」と嘆く。事故後に遠のいた町内への客足はまだ回復の途上。いまだに「あそこは通れるのか」と問い合わせがあるという。
同町は3月に三遠南信道佐久間道路の開通を控える。邑瀬事務局長は「この明るい材料を生かすためにも、新橋の早期完成を期待したい」と語る。
<メモ>原田橋崩落事故 2015年1月31日午後5時10分ごろ、浜松市天竜区佐久間町の国道473号「原田橋」が土砂崩れによって崩落し、橋上にいた市職員安野彰恭さん=当時(57)=と茶谷富士雄さん=同(45)=が命を落とした。市は現場から200メートル下流に「新々原田橋」(仮称)を建設中で、20年3月までの供用開始を目指している。(「静岡新聞」より)
早いもので、あれから4年。新々原田橋の1日も早い完成を心待ちにしています。
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