半田・常滑を訪ねる⑫―やきもの散歩道
常滑の瀧田家を出た後には、雨上がりの「やきもの散歩道」を歩きました。
常滑の町は細く曲がりくねった坂道が多く、土管などの陶器の廃材を利用した装飾を兼ねた滑り止めや土留めが独特の雰囲気を醸し出している人気のウォーキングスポット。そんな町を巡る「やきもの散歩道」を歩けば、陶器づくりの歴史を感じさせるレンガ造りの煙突や窯、黒塀の工場などと、次々と出会います。
常滑で陶器づくりが盛んになったのには、いくつかの好条件の重なりがありました。先ずは常滑層群から陶芸に相応しい粘土が採取できたこと。また、周辺には窯で火を焚く薪があったことも大切な条件。
さらに、出来上がった陶器を運搬する手段として、伊勢湾に面した港に船を着けることができたことも忘れてはいけない要因です。逆に言えば、船を着けることができたとしても運搬するものがなければ、瀧田家のように廻船業で繫栄することなどあり得ません。
酢・味噌・醤油や酒類を運び出した半田の旧中埜半六邸でも確認したこれらの条件は、北遠の良材を運び出すため、天竜川の河口に港が出来た掛塚と大変よく似ています。常滑で見た赤レンガの窯跡が、掛塚では伊豆石の蔵や石塀に代わるだけ。
赤レンガの窯の前にテーブルと椅子を並べれば、こんなステキなカフェだって出来てしまします。ちなみに、今年(2018)出かけた妻の観察によれば、常滑にも伊豆石が持ち込まれていたようです。
この見学で学んだことを「みんなと倶楽部 ⚓ 掛塚」の仲間たちと話し合い、旧津倉家住宅の活用に活かして行きたいとの思いを一層強く持つことができました。
関連記事