引き続き、和田芳博さん所蔵の古い絵葉書「秋葉ダム」の中から、第一発電所が写った2枚を紹介します。
1枚めは「秋葉第一発電所」―
秋葉ダムより南5粁峰山の山塊を貫いて導かれた天竜の水は、ここ秋葉第一発電所で45,300KWを発電する。上流に佐久間、秋葉の大ダムと秋葉山の名勝を控え天竜水系、最下流の発電所である。33年1月発電開始。
発電開始は「33年1月」とされていますが、ダム完成は「33年7月」。ダム堤体が竣工する前に、導水トンネルと発電所の完成が先行していたようです。
2枚めは「秋葉第一発電所放水口発電機」―
毎秒110立方米の水が発電所地下の竪軸フランシス型水車2台を廻し27,000KVAの発電機2台により45,300KWの発電を行い放水口よりもとの天竜川に注がれ昔の姿そのまゝに悠久無限の流れを遠く太平洋に注ぐ。
第一発電所が建設されたのは、ダムから5キロ下流となる天竜川右岸。国道152号の対岸に見える施設がそれです。
第二発電所とその後増設された第三発電所はダム直下ですが、第一発電所までダムで堰き止めた水を、山を貫いた長大な導水トンネルで送り、その落差で発電機の水車を廻しているのです。