古い絵葉書「秋葉ダム」③―龍山のダム完成

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2018年04月05日 05:37

 龍山町西川の和田芳博さん所蔵の古い絵葉書「秋葉ダム」から、2枚を紹介します。この絵葉書の裏には、かなり詳しい写真説明があります。

 1枚めは「秋葉ダム及び第二発電所」―手前が秋葉第二発電所の全景、ダム堤体に直接とりつけられた取水口より発電所地下の発電機に導水され日本最大のカプラン水車を廻し34,900KWの発電を行う。33年6月発電開始。

 同じ絵葉書の中で、ダム完成は「33年7月」とされていましたが、発電開始は1ヵ月先行したのでしょうか?

 2枚めは「秋葉ダム放流の景観」―天竜川を堰止めた秋葉ダムは時折りゲートを上げて放流する。写真は洪水時毎秒3,000立方米の水を放流している光景である。中央部6門は洪水ゲートで一枚の扉高さ13.5米巾14米重さ130トン両端は土砂吐ゲートである。

 このカラー印刷の絵葉書は、かつてよくされた手法、モノクロ写真にカラー着色がされたもの。全門開放しての放水写真は、描かれたものだろうと思います。

 龍山を、昔からの懐かしい風景や習俗が残る「北遠の山里」とだけ考えてはいませんか?龍山には、日本の林業をリードした歴史のほか、都会の賑わいを見せた峰之沢鉱山や短期間で秋葉ダムを完成させた先進土木工事も経験し、ドラマチックとも言える歴史を経験し、現在に至っているのです。

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