野崎の秋葉山常夜燈を建造した大工棟梁は石川正作です。このような木造の鞘堂(さやどう)を「龍燈(りゅうとう)」と呼んでいますが、建造されたのは明治4年(1871)。以前紹介した曽布川藤次郎建造の高木の龍燈の3年後に建てられましたので、どことなく似ている箇所があります。
特に似ているのは裾壁の下見板張り。外壁の板材を横に使い、板の下端がその下の板の上端に少し重なるように張る工法ですが、緩やか反らせた美しさや、押縁(おしぶち=押さえ縁)の加工もそっくり。
石川正作は同じ旧竜洋町にある白羽神社の建築にも加わっているとのこと。野崎の秋葉山常夜燈も、多くの腕の良い職人が育った地域に残された貴重な文化遺産です。