浜松市天竜区にフリースクール開設準備
◆「里山題楽校」 活性化願い住民協力
山あいの小集落を教室に見立てたフリースクールの開設準備が、浜松市天竜区横川の百古里(すがり)地区で進んでいる。児童減少で近くの鏡山小学校が3月末に閉校したばかりで、過疎化に拍車がかかると危機感を抱く住民が協力する。「里山題楽校」の名称で4月中の開設を目指す代表の鈴木浩之さん(36)=同市東区=は「学校が地域の活性化にもつながれば」と話す。
さまざまな理由で学校に通えない児童生徒を支援するフリースクール。浜松市内に複数あるが、天竜区で民間の開設は初めて。2月まで同市中区の通信制高校に勤務していた鈴木さんは、2年前から地区住民とイベントを通じて交流があり、自然豊かな百古里に魅力を感じていた。
市北部で通える距離にフリースクールがないとの保護者らの声を聞き、開校を決心。自己資金で準備し、インターネットで不特定多数から小口の資金を募る「クラウドファンディング」でも協力を呼びかけている。集めた資金は机など学習設備の費用に充てる計画。
茶畑や家屋が点在する百古里には41世帯、130人余が暮らす。協力するひとりが地区でそば店を営む山本六二郎さん(66)。「いい環境で過ごせば気持ちも変わる。地区に出入りするきっかけになり、いずれ住みたい人が出てくれば」と期待する。訪問客の滞在のため山本さんが造った木造平屋のコテージ2棟を教室や事務所用に有償で貸す。住民の代わりに管理していた田んぼも、米づくりの学習に使ってもらう。
鈴木さんがモデルとするのは、デンマーク発祥で自然の環境を教室に見立てる「森の幼稚園」。学習支援のほか、農家に学ぶブルーベリー農園での栽培・収穫体験、ハチの生態調査とハチミツの生産、地区に工房を構える陶芸家を講師に焼き物教室などを計画している。「雑音から離れ、集中できる場所だから複数の芸術家らが百古里に集まっている。ここで何かに集中し、達成感を味わってほしい」
小学4年から中学3年の児童生徒、通信制高校の在籍者を対象に20人を予定する。問い合わせは鈴木さん=電080(5674)1606=へ。(「中日新聞」より)
地域との一体感を煩わしいと感じるているらしい人たちもいますが、家族・親戚などと同じように大切な仲間。田舎の温かさに囲まれて育つことで、子どもたちの成長に必ずよい影響を与えてくれるはずです。
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