以前、旧「さくま郷土遺産保存館」で展示されていた「佐久間の林業と山村生活の用具」は静岡県有形文化財に指定され、現在は「佐久間歴史と民話の郷会館」3階に展示保管されています。
「佐久間歴史と民話の郷会館」を訪問し、展示されている大鋸を見せていただきました。
すると、棚に保管されている大鋸の多くで、磐田市立竜洋郷土資料館で展示されていた引き札で見た「上カギ印」の刻印が確認できます。これらの鋸は、間違いなく「遠州磐田郡掛塚町 竹内市三郎」で造られた鋸です。
筏に組まれて流されて来た北遠の木材を、船に乗せて運び出した掛塚湊の廻船問屋の中には、北遠の山を買い取り、山主になった人たちもいました。佐久間に残された前挽鋸(大鋸=おおが)こそ、北遠の山と掛塚湊が深く結ばれていたことを示す遺産。
「上カギ印」以外の掛塚鋸も、北遠のどこかにきっとあるはずです。